塾帰りの12分


オクは、歌いながら私の腰に腕を回してきた。


愛の歌を私に向けて歌ってるけど、私はそれどころではなかった。



ちょっとオク、私を酔わせていったい何しようって言うのよ!



『なんていうか、すごく飢えてる感じなんだよねー』


奈津の声が蘇った。



奈津、ごめん。

ちゃんと忠告聞かないで。

でも、オクはそんなやつじゃないって思ってたんだよ。



……なんか、裏切られた気分。