塾帰りの12分


オクは私の隣に座り、私の顔を見ながら歌い出した。


最初は笑って聞いていたけど、照れくさくなってきて、私はグラスを何度も口に運んだ。



……あれ?

なんか、ふらつく。

めまい?



妙な感覚に襲われて、グラスに半分残ったジュースをひと口飲んで、また違和感を感じた。



このオレンジジュース、ちょっと苦い?



二番を歌いながら、私は内心首をひねった。


でも、同じものを飲んでいるオクはそんなことひとことも言わないから、私の気のせいかな。


いぶかしく思っている間に曲は終わり、オクが入れた次のバラードが始まった。