塾帰りの12分


午前の最初の回の上映だったから、終わったのはちょうどお昼時。

ポップコーンをぽりぽり食べながら歩くオクについてロビーに出た。



「いやー、面白かったな!」



快活にそう言って私を振り返ったオクに、私は苦笑を返さざるを得なかった。


いや、面白かったって感想はどうかと思うよ。

悲恋ものだし。

私、号泣したし。

オクが寝てたの知ってるしね。



私が黙っていると、オクはロビーの奥を指差した。

「わりい、俺ちょっとトイレ行ってくる。
そこのベンチで待ってて」

「うん」


私はベンチの隅に腰かけ、オクを見送った。