手をつないだくらいで動揺してどうする! 自分自身に叱咤して、私はオクのあとについて、映画館の席に着いた。 「ほい、オレンジ」 「ん、ありがと」 自分の分のジュースを受け取り、座席のドリンクホルダーに入れた。 「あと、これも聡美が持っといて。 俺、手伸ばしてもらうから」 「うん」 オクからポップコーンのたっぷり入った大きな容器を受け取り、膝の上に置いた。 さっそくオクの手が伸びてくる。