!! 俺が目を見開いて振り返ると、 「なんだ? 入らないのか?」 兄貴はいぶかしげに俺を見て先に靴を脱いだ。 ったく! 声、でかいんだよ!! これじゃこっそり消えようと思った俺の思わくが水の泡じゃねーか! すると、案の定、奥からパタパタとスリッパの音が聞こえてきた。 「お帰りなさい。 あら、孝太郎も一緒だったの? 二人とも、おばあさまがいらしてるから顔出して?」 おふくろが応接間の方を示して、俺たちを促した。 あーあ。 めんどくせえ……