塾帰りの12分



!!


俺が目を見開いて振り返ると、

「なんだ?
入らないのか?」

兄貴はいぶかしげに俺を見て先に靴を脱いだ。



ったく!

声、でかいんだよ!!

これじゃこっそり消えようと思った俺の思わくが水の泡じゃねーか!



すると、案の定、奥からパタパタとスリッパの音が聞こえてきた。


「お帰りなさい。
あら、孝太郎も一緒だったの?
二人とも、おばあさまがいらしてるから顔出して?」


おふくろが応接間の方を示して、俺たちを促した。



あーあ。

めんどくせえ……