中卒の父は私の進学に反対していた。
「高校なんか行かなくていい!
大工の娘は大工の娘らしく、かあさんに料理でも教わってりゃいいんだ!」
でも、中学でトップクラスの成績をとっていた私は、先生の勧めもあり当然進学するつもりでいた。
「私はおとうさんとは頭の出来が違うの!
それに、いまどき中卒なんて近所に誰もいないわよ!
みんな高校くらい行くの!」
「だったら公立だけ受けりゃいいだろうが!
秀成学園なんて、上流階級の坊ちゃん嬢ちゃんが行くようなとこ、おまえには無理だ!」
「何が無理なのよ!
学校の先生だって挑戦してみろって言ってくれたの!
やってみなきゃわからないでしょ!」
「無理して行ったって、高校は義務教育じゃないんだぞ!
卒業できなきゃ意味ないだろうが!」
「できるわよ!
じゃあ、もし私が秀成学園に受かって卒業できたらどうする?」
「そしたら、大学でも大学院でも好きなだけ勉強させてやらあ!」
「その言葉、絶対忘れないでよ!」


