塾帰りの12分


中卒の父は私の進学に反対していた。


「高校なんか行かなくていい!
大工の娘は大工の娘らしく、かあさんに料理でも教わってりゃいいんだ!」


でも、中学でトップクラスの成績をとっていた私は、先生の勧めもあり当然進学するつもりでいた。


「私はおとうさんとは頭の出来が違うの!
それに、いまどき中卒なんて近所に誰もいないわよ!
みんな高校くらい行くの!」


「だったら公立だけ受けりゃいいだろうが!
秀成学園なんて、上流階級の坊ちゃん嬢ちゃんが行くようなとこ、おまえには無理だ!」


「何が無理なのよ!
学校の先生だって挑戦してみろって言ってくれたの!
やってみなきゃわからないでしょ!」


「無理して行ったって、高校は義務教育じゃないんだぞ!
卒業できなきゃ意味ないだろうが!」


「できるわよ!
じゃあ、もし私が秀成学園に受かって卒業できたらどうする?」


「そしたら、大学でも大学院でも好きなだけ勉強させてやらあ!」


「その言葉、絶対忘れないでよ!」