「あぁっそびぃに来ったぜェー!?」
バタァンッ!!
「ぬぅおぁッ!?」
勢いよく開かれたドアに巻き込まれ、俺は壁とドアの間に挟まれた。
「うぐッ…」
なんでこんな目に…ぐふッ…
「大丈夫ですかぁ?」
『謎の少女』はドアに巻き込まれなかったようだ。
「あれ?隆久は?つーか誰?」「あ、初めまして。隆久さんの拾ったキーホルダーです。」
「あぁ、キーホルダーね。俺は明人。よろしく!…あ、そんで隆久は?」
そんでって言ったろ今!!つーかお前それより、キーホルダーって突っ込むところだろ!!
「隆久さんなら、ドアの後ろにいますよ」
「え?」
え?じゃねぇよ…
部屋に入り、自分が開けたドアを閉める明人。
挟まれてた俺とご対面。
「あ、いたいた。よぅ隆久!って何してんだお前?」
…この野郎、自分が挟んだことやっぱわかってねぇ…
「お前がいきなりドア開けたから挟まったんだッつーの!!ドアにぶつかったし!!いきなりドア開けんなっていっつも行ってるだろ!?」
猛反論する俺。
「ふーん。お前も大変なんだな、まぁ頑張れよ」
お前のせいで大変な目にあったんすけど!?つーかお前、絶対話聞いてなかったろ!!お前の発言から考えて、なんか俺がドアの後ろに隠れなきゃいけない事情あるみたいじゃねぇか!!何を頑張れよって言ってんだお前!?
……昔からコイツは人の話を聞かない。だからこんなやり取りも、もはや日常だ。
「はぁ…そんで、お前何しに来たの?つーか俺、今からこの子、交番に連れてくとこだったんだけど」
溜め息をつき、用件を訊ねた。今はコイツの相手してる場合じゃない。日が暮れる。