父様の部屋に入ると、父様がきれいな着物を持っていた。 赤の布に金の糸で刺繍がされてある、 上質な着物。 父様は、なぜか少し浮かない顔をしている。 「光沙、これを着て応接室に来なさい。」 …本当になんだろう? 着物を渡した父様は、さっさと部屋から出ていった。