いや、切れたんじゃない。 切られたんだ! 光沙の声が途切れてから、急に不安が襲ってくる。 「光沙っ……。」 きっとあの音は、光沙が逃げようとした音なんだろう。 でも、電話は切れた。 もしかして、光沙は、 …………捕まった? 考える前に、俺の体は動いていた。 急いで車のキーを持ち、玄関を出る。 車に飛び乗った俺は、すぐに車を走らせた。 光沙の家に向けて。