そう言った男の子は、私の腕をつかんで、廊下に引っ張りだした。 ………永海家。 聞いたことある。 たしか、有名な茶道の家元だ。 でも、なんで永海家が。 腕を引っ張りながら、男の子はこちらを見る。 「あなたのお家は、現在ご当主がおりませんね。 あなたが思っている以上に、 あなたのお家は深刻な状況なんですよ。」