「あなたは今、

お見合いをする気はないと言いましたね?」


男の子がゆっくりと歩み寄ってくる。


当たり前じゃない!


私は真幸が好きだもん。



「あなたに断る権利はないんですよ。」


そう言いきった男の子は、もう私の前に立っていた。


「………なんでっ。」


「申し遅れました。


私、永海家当主、


永海邦人(ナガミ クニヒト)と申します。」