ケータイを奪われた私は、ほとんど強引に着物を着せられ、 応接室に連れていかれた。 応接室に入れられた私の前には、 父様と、 知らない男の子が座っていた。 「―父様! 私、お見合いなんてしたくないです!」 力無くうつむく父様を見て、私は思わず声をあげた。 父様は、目もあわせてくれない。 それどころか、ちらちらと外を気にしてる。