誘拐犯は私の彼氏!?




気にしてるのにっ

気にしてるのにっ

気にしてるのにーっ!



コンプレックスを突っ込まれた私、もう涙目。


うるうるしながらそれでもどかない私を見て、ため息ついた男の折衷案は、


「なら俺の隣に座ってろ。」


そう言って私の手を掴んで無理矢理横に座らせた。


予想と反して暖かい男の手は、まだ寒い春風で冷えた私に体温を分ける。


そして


「冷たいんだよ…」


と呟いて、私にカイロを握らせた。