そんな私を見ながら、なおも何も言ってくれない。


…耐えられないよ…邦人さん。


いじわる。


「うっ…、うわーーー…」


邦人さんのばかぁー…


怖かった。


怖かったよー。



涙でくしゃくしゃになった私の頭をなでながら、


突然泣き出した私に少しも動揺なんかしないで、ゆっくりと私の体を抱き寄せる。


優しくて、懐かしい匂いがする邦人さんの胸。


私はしばらく、彼の胸に顔を埋めながら泣いた。


本当は、すごく怖かったから。


隠し事なんて、ばれちゃうんだね。