苦痛に必死で耐える私を、興味と好奇の目で眺めていた男の手が、


床に落ちてもなお、鋭さと物騒な雰囲気を醸し出すナイフにのばされる。


ゆっくりと、ナイフを拾い上げる手つきは、しなやかでありながらこれほどにまで恐怖を引き立てるものなのか。


あまりの禍々しい鋭さに目を奪われ、固まる私の視界から、ナイフの刃が消える。


視界から消えたおぞましい刃の感触が、私の首筋に冷たい恐怖を与えた。