「大丈夫よ。


………私の手を見て。」


かろうじて冷静さを保っている彼女に、私の掌を見せた。


私の手にあるものは、隠し持っていたナイフ。


真幸に貰った私のお守り。


ただ、彼女にはただの物騒な凶器にしか見えないらしく、顔から一瞬血の気が引く。


当たり前か。


「っ………。


どうしてこんなものっ!」


青くなって叫びそうになる彼女に、少しだけ笑いそうになる私はやっぱり異常だろうか?


でも、これが私の日常だから。


理解なんて、されないけどね。