長い髪で顔は見えないけど、パニックになって叫びっぱなしの反対側のおばさんよりずっといい。 それにこの子、こんな状況でもまだ縄をほどこうともがいてる。 こんなにぐったりしてるように見えるのに、手だけはしっかりと結び目をつかんでるから。 この子なら、ちょうどいいかもしれない。 これから私がおこす、反乱の共犯者に。 少し手伝ってもらおうかな。 そう思って、頭を少し近づけた。 「………ねぇねぇ、大丈夫?」