後ろから、警官隊に引っ張りあげられる光沙。 足がたたないのか、その場から動かない。 ………いや、俺には、立ち上がるのを拒否しているようにも見えた。 途中から、半ば強引に抱き抱えるようにその場から連れ去られていく。 光沙の目から、涙は消えていない。 強引に連れていこうとする警官の手を、振り払おうとすも、光沙にそれだけの力は残っていない。 「………………ぃゃっ。」 光沙の声は、人々の雑音の中に埋もれて小さくなっていく。