そんな中でも、光沙はじっと俺を見つめ泣いている。


銀行の外に人質がつれられていくなかで、光沙は立ち上がろうともしない。


ただ、俺をまばたきもせずに見つめ続けている。


俺は、そんな光沙から目を離せずにいた。


今目を離したら、一生光沙を見つめることができない気がして。


ただ、見つめあうだけの時間。


回りから見たら、犯人が捕まってもその場から立ち去らない俺たちは異常だろう。


それでも、俺たちはお互いを見つめ続けた。


光沙が警官隊につれられていくまで。