辺りを見回す私。 ついさっきまで、ここはなんの変わりもない銀行だった。 強盗が来るなんて、誰も予想してなかった。 こんなところに、なんでナイフを持ち込む必要があるんだろう? 「……………おいっお前ら! さっきから何をやってる?」 私たちの行動に気づいた犯人が、足早に近づいてきた。 私たちの前で立ち止まったとき、犯人の顔が強ばる。 「なんだそれは?」 犯人が見ているのは、彼女の手にあるナイフだった。