「………ねぇねぇ、大丈夫?」


それは、犯人の足音で消えてしまいそうなほど小さな声。


私が縛られてる柱がいっぱいになった時、隣から小さな声がした。


私より2つほど年上に見える、黒髪でショートカットの雰囲気のある美人さん。


切れ長の目と、つやつやした唇が妙に色っぽい。


そんな絵に書いたような美人さんが、私にそっと耳打ちする。


「一緒に逃げ出さない?」


…………えっ?


この状況で………ですか?