「光沙っ!」


思わず、声をあげていた。


ボンボンがここに来たときから、俺の声は光沙に届かない。


光沙の目に、俺は映らない。


光沙が見ているのは、ボンボンだった。


「私、あなたと一緒に帰ります。


これで、満足ですか?」


光沙の問いに、勝者の笑みをさらにはっきり顔に表す。


「ええ、満足です。


では光沙さん、いきましょうか。」