シャッター

1枚目は初めて写真を撮ったものだった


固い表情で不安そうなのが写真でもひどくわかる



2枚目は土手でふいうちされた写真


そのまんま素な自分


こんな素な自分を見るのは不思議と初めてだった


3枚目は
4枚目は…


見ていくうちに自然に気持ちが温かく笑顔になっていった


写真の自分に向けて笑っているんじゃない


写真を見るたび朝飛と一緒いた時間を思いだしたからだ


どんなことを話したとか

朝飛の笑顔とか


シャッターの音とか


そんなふうに考えていくと、あの時のことが幸せに思えた



後半のほうの写真はもう安心しきった表情で光希自身信じられないくらい、楽しそうに笑ってた



その時、光希はきっと自覚する前から自分は朝飛に惹かれていたんだと気づいた



「あたし…こんな顔」



朝飛の言葉がどんどん頭の中に浮かんでは消える


『モデル、やってくれへんかな』


『あんたも綺麗にとったったる』



『俺と行こや』


『自覚あらへんみたいやけど、綺麗やで』



『撮ってええかな』


その光景がずっと遠いことに思えて、視界が霞んだ


なんであんなこと言ってしまったんだろう


朝飛はあんなに優しくしてくれたのに、それ以上求める必要はなかったのに


光希は涙を拭い、写真を封筒に入れ直そうとした時だった


中にまだ何か入っている


小さな小さな紙