シャッター

光希はそれから朝飛とはもう口を聞かなくなった


というか、もう聞けなかった


あんなふうに言って嫌われたに違いないと思ったし、写真のことしか考えていないクラスの人気者にこれ以上、惹かれていくのが怖かったのだ



学校で目を合わせないように緊張していたし、目が合ったらすぐに反らした



またたまに、クラスの子を写真に撮っていた


それをみるたび胸がきしんだ



そんな息の詰まるような日々を送っていた日、あの初めて朝飛と会った場所で立ち止まった



あのときのことを思いだして、自然に笑みが溢れた



そんな自分に慌てて、首を振って自分を奮いたたせた



光希は再び歩きだした


あのときと同じ夕日が光希の目の前にはあった













家に帰ると光希の母が机のほうに顎をしゃくった


「おかえり、なんか男の子がそれ届けてきたわよ」


「え…!」


光希は机の上の封筒を見た


この前朝飛が現像したと言ってくれた封筒だった


「光希、なんなのあの関西弁の男の子。彼氏?」


「違うよ!」


からかってくる母をかまっている余裕がなかった


光希は封筒を持って、2階に急いで上がった



部屋に入り、ベッドの上に座って呟いた


「あたし、あんなこと言ったのに…」


今さらになってつくづく後悔が沸いてきた



何にも止められていない封筒を開いて、写真を取り出した


なかなか分厚いと思ったが、中には相当な数の写真が入っていた


ずいぶん写真を撮ってもらってたんだと、初めて実感した