「クラスの子でいいでしょ」
「だからあかんゆーてるやろ」
そう言う朝飛の言葉を光希は疑ってしまった
現に誰でもいいような態度をとったのは朝飛だ
だからと言って
嫉妬目いたことなんて言えなかった
カメラマンは1人のモデルしか撮ってはいけないなんて馬鹿げたルールはどこにもない
独占したいなんて、そんなの我が儘だ
「あたしはなんなの?」
そう聞くと朝飛は不思議そうに光希を見た
笑顔に変えて遠くを見ながら話し始めた
「んー、モデルさんはモデルさんやけど、自然って感じかな」
「なに、それ」
「風景とか…綺麗な花とかそんな感じ。俺…」
何かを言いかけた朝飛を光希が遮った
その時すでに、光希の中には怒りしかなかった
自分でも信じられないくらい感情が光希を支配していく
理性はそれに飲み込まれてしまっていた
光希は写真が入った封筒を朝飛に投げつけた
「いった…。なにすんねん」
朝飛は信じられないというふうに光希を見た
そんなふうに見られても怒りだけがふつふつと沸き上がり、光希は拳を握った
「なにそれ!あたしは、風景なんかじゃない!」
戸惑って言葉を失っている朝飛に光希は叫んだ
「本当はもうだれでもいいくせに!もう、モデルなんか2度とやりたくない!」
光希はバックを持って立ち上がり、そう吐き捨てた
走り去る光希を朝飛は追いかけられなかった
突然すぎて、ただ硬直したままその後ろ姿を見つめていた

