シャッター














光希はカメラを向ける朝飛の前で顔が強張るのが自分でもわかった


朝飛は何枚か撮ってからしかめっ面でこっちを見た


「なんかまた固くなったんちゃう?どうしたん?」


理由はなんとなくわかっていたものの誤魔化した


「ちょっと休むか」


朝飛はそう言って土手に腰をおろした


光希もため息をついて隣に座る


光希は隣にいる朝飛をチラリとみた


光希の気なんて知らずに気持ちよさそうに遠くを見ている


「若松くんはさ、なんで引っ越してきたの?」

光希がそれとなく聞くと朝飛は一瞬ふいをつかれたようだった


「親の転勤や」


光希はそれを聞いて黙った


言いたくないことなのか、秘密してもいいと許したかったのに、なんだか悲しくて怒りすら沸いてきた



「あ、そうだ!」


朝飛は思いついたように言って、バックの中をごそごそと探りだす


いつものちょっとボロボロの鞄だ



「なに?」


光希が聞くと朝飛は「ほれ」と言って、封筒を手渡した


「現像した写真、できたで」


「うそ」


光希は受け止って真っ白な封筒を見つめた


中を見る前にひとつ聞きたくなった


「もうあたしはモデル、卒業かな」



すると朝飛は目を丸くして光希を見た


「なんでやねん」


「…もう、他の人でもいんでしょ?」


光希にとってそれを聞くのは怖かった


本当に必要ないと言われるのを覚悟しなければならないから


でも無意識に朝飛を試したくなった自分がいた



そんな光希の歪んだ感情とはあまりにもかけ離れて、朝飛は真っ直ぐ言った



「そんなのあかん!なんで?嫌んなったん?」


光希は俯いた


悔しくもそう言われて、安心してる自分がどこかにいた