弱気な僕と死神娘


「バカなこと言ってないで、とりあえずこの部屋出るわよ。」


そう言って死神は僕の手を取ると、フワッと宙に浮いて窓から飛び出した。

自分が普通に空を飛んでいることに驚きながらも、僕は最後になるであろう自分の家の景色を振り返り目に焼き付けていた。



まだ夜は続いていて、冷たい夜風が頬をつく。

夜空にはいくつかの星があり、死神と僕は月に影を落としながら、静かに飛び立っていった。