「で、これから天国に向かうわけだけど――」 「あ…あのっ」 「何よ?」 鏡を探す際に部屋を見渡して、僕は重要なことに気付いた。 「僕の死体が見当たらないんですけど…」 「あぁ、そう。あんた見えないのね。」 死神は慣れたような反応をみせて、続けた。 「じゃあ『現世感』が無いのよ。まぁそれが普通だから、別に気にしなくていいわ。」