だけど、時間を止めてほしい。
本当に。


ずっとこのまま、大好きな先輩の横にいたい。


ずっと、ずっと。
無条件で、先輩の横にいられる。


彼女にはなれないけど、時間が止まれば、
ずっと先輩と空を見上げていられる。



――――キーンコーンカーンコーン……


「あ…。」

チャイム…。
昼休み、短かったな。

「終わっちゃったね。戻るか。」

そういって先輩は立ち上がった。



やだよ。

離れたくない。


だけど、教室に戻らなくちゃ。



「西山先輩…。」

屋上の扉の前に立つ先輩。
その背中に声を投げる。

「ん?」

先輩は振り返る。