声も震える。


「嘘じゃねぇよ、本当だよ!」


「やったー!」


瞳をギュッと閉じ、両手を広げて叫ぶ聡。


「聡、聡!聞いてるか!」


携帯電話から聞こえる小さな竜太の声。慌てて電話を耳にあてる。


「悪ぃ悪ぃ、嬉しくてさ!」


「まだ和樹と慎一に連絡してねえんだ、だからとりあえず切るぞ!」


「おう!」


電話を切ると、再びガッツポーズを取る。


「やった!よっしゃ!」


そう叫んだ聡は、布団に飛び込みのたうちまわった。


「どうしたの、聡?」


聡の大声に驚き、聡子が部屋に上がってくる。


「お母さん!受かったよ!スペシャルシート!全国大会、行けるんだよ!」


満面の笑みで聡は叫んだ。


「そう!よかったわねぇ!」


聡子も嬉しそうだ。


「ごめん、びっくりさせて。それだけだから!」


「はいはい。もうちょっとで夕飯の支度できるからね」


「うん!」


聡子は部屋を出て再び一階に戻る。


聡は携帯電話を手に取った。すると、もうすでに綾からメールがきていた。


『聡!やったね!』