聡も続く。しかし、聡も内心不安だった。


「三組目、全国大会に進出した最後のバンドは……」


再び、ドラムロール。一回目や二回目と違い、やたらと長い。


「三組目は……」


四人はMCに注目した。


「BABUのみなさんです!おめでとうございます!」


凄まじい拍手と歓声。


選ばれた三組は再びステージに上がり、客席に向かい両手を掲げる。


その中、唖然とする四人。


だんだん湧き上がる絶望感。


「どうしてだよ……」


呟く和樹。


「俺たちに決まってたろ……」


続く竜太。


「これが現実か……」


それに続き、心底がっかりする慎一。言葉も出ない聡。


「それでは雨が少し降ってきました、足元にお気をつけてお帰りください」


MCの声に客席はパラパラと会場を出る。


そんな言葉など耳に入らず、放心状態の四人。


「何が悪かったんだよ……」


和樹の声。


「簡単なことだよ……僕らより上手いバンドが、三組いたんだよ……」


無表情のまま慎一が言う。


「俺見てたけど……そんなのいなかった……」


竜太が反論する。