「お?」


歯ブラシを口に入れながら返事をする竜太。


「今日、絶対優勝するからな!」


「お、おう……何だよ、急に?」


「急にも、へったくれもねぇよ。優勝するぞ!」


「もちろんだよ、コノヤロー」


唇に白い歯磨き粉をつけた竜太がニヤッと笑って答える。


その自信に満ちた竜太の顔を見た聡はますますやる気になり、突然「やるぞー!」と叫びソファーに走って飛び込む。


「なんだよあいつ、急にテンション高いな……」


そう呟いた竜太は、口の中を乱暴に濯いだ。


「しょうがねぇ、付き合ってやるか!」


と、竜太もテンションが上がり「うおぉー!」と言いながらソファーに飛び込む。


「痛!痛ぇな、竜太」


「うるせぇ、優勝すんぞ!何がなんでも!」


「当たり前だ!」


大声で笑い合い、じゃれ合う二人。そこに和樹、慎一が入ってくる。


「なんだよお前ら、朝っぱらから……うるせぇぞ」


「僕たちの部屋に丸聞こえだよ」


「おうお前ら、優勝するぞ!絶対!」


「……当たり前だろ」


竜太の言葉に、少し笑みを浮かべ強く答える和樹。慎一も笑顔で頷く。


「もうすぐ、集合時間だ。先にロビーで待ってるから、支度できたら来いよ」


と、和樹と慎一はロビーへ向かった。