洋一の目はプールに釘付けになった。
「なんてスピードだ!まるでスクリューが付いているみたいだ!・・・まてよ、新開発のスイムパンツをコクにはかせて部長の前で泳がせれば、きっとオーケィをもらえる。ライバルのジャパンスポーツにだって差をつけられる!」
洋一はずるい事を考えていた。
コクがプールから出ようとすると、洋一が差し出す腕があった。
「出直すことは無いよコク君。そんな無駄なことはしないで、お隣が帰って来るまでずーっとウチにいても構わないよっ。プールもウチのを使いたまえ!」
洋一はそう言うと、ニッコリ笑った。
「本当?これで僕、干上がらなくても済むよ。ありがとうおじさん」
「なんのなんの!では家に案内するとしよう」