南田ひかるは、垣根越しに隣の老人を眺めていた。 「退屈そうだなあ、いっつも車椅子でボーっとしてるあのおじーちゃん」 ひかるは父親の仕事の都合で、両親と共にカリフォルニアからフロリダに越して来たばかりだった。 「ハロー!」 ひかるは垣根越しに老人に声をかけてみた。 返事はなかった。 ひかるは祖父からもらった下駄を脱いで先に隣に放り込むと、続けて垣根をまたぐ作業に取りかかった。