ワゴンはどんどん沈んでいった。



フロントガラスは水面に当たった時の衝撃で目茶目茶に砕け、ジュニアとアンは頭から血を流したままワゴンと共に水中深く沈んでいった。



まもなく二つの影が、水中をワゴンに向かって近寄ってきた。



その人影は深い海の中にもかかわらず、酸素ボンベもウエットスーツも身につけてはいなかった。



そしてイルカのような下半身は、魚のような鱗で覆われ尾鰭で終わっていた。



彼らは軽やかに水中を舞うように泳ぎながら、ジュニアとアンをワゴンから引きずりだした。



それから水面とは反対の、更に海中深く二人を連れていった。