海面がみるみる近づいて来る。ジュニアの脳裏に父の笑顔がスローモーションのように通り過ぎていった。 初めての大会の時に見せてくれたものだった。 その笑顔がキラキラした星に囲まれた。 「パパごめんね。僕スターにはなれなかった」 それは海に漂う夜光虫の群れだった。 月明かりの中、車は激しく水面に叩きつけられた。 その衝撃がジュニアの耳にスターターの音と重なった。 「飛び込みだけは上手いだろ、パパ・・・」 やがて二人を乗せたステーションワゴンは海中深く沈んでいった。