( 新撰組 * 恋情録 )


 取り残されたあたしは
 どうして良いのかわからず
 その場にぼ―っと突っ立って居たが、

 「 な―な―、凜咲って呼んでも良いか? 」

 「 えっ?! 」

 不意に後ろから掛けられた
 声に驚き、身を固めて振り返ると
 そこには小柄で どちらかと言えば
 可愛いという印象を受ける
 確か、藤堂平助君―‥が立っていた。

 「 あ、いやダメなら良いんだけどさ! 」

 あたしの反応が悪かったのか、
 彼は慌ててそう付け足した。

 「 ううん、そんなことない! 」

 呼んで呼んで、と微笑むと
 彼はほっとしたような表情に変わり、

 「 良かった―!俺のことも
     平助って呼んでくれて
          構わね―からな! 」

 そう微笑んでくれた。

 ( 平助‥ )

 「 そういや凜咲って何歳だ? 」

 「 今年で17だよ! 」

 「 お、そんじゃ1コ下か―! 」

 ( えぇえっ?! )

 口には出さなかったけど、
 内心驚きでいっぱいだった。

 ( 絶対同い年か、若しくは年下だと
         思ってたのに―‥! )

 小柄な彼はあたしとあまり
 身長も変わらなく、顔にはまだ
 あどけなさが残っている。

 ( ごめんね平助! )

 それ故の思い込みを反省し、
 心の中で謝っていると

 「「 おいコラ平助。な―にいきなり
   新しい女中さん口説いてんだよ 」」

 見事に声が揃うと同時に
 平助の頭が二人の人物に叩かれた。