( 新撰組 * 恋情録 )


 「 近藤さん、受け入れてくれたのは
    有り難ぇが、そのへんにして
  おいてやってくれ。紹介が進まねぇ 」

 「 おぉ、すまんなトシ 」

 悪戯を叱られた子供みたいに
 少しシュンとしてから、
 近藤さんはあたしに笑顔を向けた。

 「 では後ほどまた会おう、凜咲くん 」

 そして、そう締めくくって手を振ると
 道場を出て行く。

 「 あ、はい! 」

 ( どうして出て行っちゃったんだろう?
  まさか土方さんに叱られて拗ね―‥ )

 あたしの顔にそう書いてあったのか
 土方さんが人の心を読めるのかは
 わからないけど、

 「 近藤さんは局長の仕事をしに
  行ったんだ。断じて俺に叱られて
     拗ねたとかじゃねぇからな。 」

 ‥そう、補足が加わった。

 「 そ、そんなこと思ってないもん! 」

 「 どうだか。 」

 嘲笑にも似た笑いを零してから、
 土方さんは隊士の紹介に戻る。

 山南敬助さん、藤堂平助さん
 原田左之助さん、永倉新八さん―‥

 初対面である幹部四人の紹介が
 一通り終わり、平隊士には
 あたしの名前だけを簡単に
 紹介すると、土方さんは

 「 暫く、適当に喋ってろ。 」

 と言って 何処かへ消えてしまった。