ねえ、もしかして今あたしの頭ポンポンしてくれたのって、あたしが今日会ったときに"頭ポンポンしてくれたら機嫌直る"って言ったから……?


違うかもしれないけど、でももしかしたら。

そう思えば思うほど胸が痛くなる。




「津田くん……」

「……なに」




今だから聞く。

ちゃんと、付き合ってくれた理由を。




「津田くんがあたしと付き合ってくれるって言ったのって、本当になんとなく?」

「……」

「津田くん、あたしね津田くんのこと好きだよ?でも本当に好きだからこそ、なんとなくなんかで付き合われるのは嫌なの。」




歩いていた足を止める。

すると、そんな様子に気付いた津田くんも足を止めてあたしの方へと振り返った。


あたしと目が合えば気まずそうに逸らす。

それからちょっと俯くと小さな声で呟いた。




「信じられる気がした。」