やばい、何この感じ……。


とてもすぐには鳴り止まなさそうな心臓音が、身体中に響く。

とりあえず落ち着こうとしてみるもなにも、手に持った箸さえも器に置くことが出来なくて。


まるで金縛りにあった様に動けない。




「ね、なるも行……って、顔赤!」




雛があたしを見るなり驚いた声を出す。

あたしはその声を聞いた瞬間何か急に落ち着いてきた。




「なあ、なんかあったの?」

「え、知らね」




津田くんはあたしの方を一切見ようとはせず、孝太くんに素っ気なく答えた。



あ、いつもの津田くん。


少し心に余裕が出てきた。


なんだったんだろ、さっきのは。




「そうそ、来週あたしと孝太で遊園地行くんだけどさ、2人も一緒に行かない?」