「はい、あー……」

「んっ、」




あたしがまた1本うどんを掴んで津田くんの前に差し出すと、予想外にも津田くんは、少し乱暴にあたしが差し出したうどんを口にした。



え、まさかっ……


予想も期待もしていなかった出来事にあたしの胸は高鳴る。



津田くんは上手にうどんを口の中に入れると、真っ赤な顔のままモグモグする。


何も言えないあたしを見て"うどん、食いたかっただけだから"なんて素っ気無い言葉を投げ掛けると、誰かに見られてないか辺りを確認した。




「2人だけの秘密な」




まだ赤い顔を悟られたくないのか、一瞬だけ津田くんはあたしを見ると、また頬杖を付いて窓の外に目を向ける。


ドキドキして動けないあたしに津田くんは"お前、それやるから"なんて、乱暴に言葉を言い放った。