「ひーなっ!」
「わーお。」
あたしが雛の名前を呼びながら肩を叩くと、雛は携帯を片手に、箸を口に加えて振り向いた。
孝太くんがさっきまであたしが座っていた椅子に座ったから、あたしは雛の隣に腰を掛けた。
「なに、用事?」
「この間話したデートの予定で──」
……津田くん、座らないのかな?
さっきから津田くんはうどんの乗ったお盆を持って、あたし達のテーブルの横に立ったまま。
「ねえ津田くん」
「なに」
「椅子、座んないの?」
「……座る」
津田くんはチラっとあたしを見ると、少し控えめにあたしの前の席に座った。

