「でもなんかな~」




足から頭までなめ回すようにみるあたし。

んー、なんか違うんだよね。



キュンとしないもん。


確かにカッコいいかもしれないけど、キュンとしないもん!




「ダメだ。ごめんね?あたし、石井くんが好きなのっ!」




顔の前に手を合わせて謝る。


そうだよ、あたしは石井くんがいいの!


サッカー部の部長で、すっごいカッコよくて、モテるのはちょっと困っちゃうけど、それより優しいし、笑顔にキュンときちゃうの!




「あ、なんかこんな話してたら逢いたくなっちゃった……。だから、ばいばい!」




"あっ……!"と声を出した佐藤くんを他所に、屋上から階段を駆け下り、あたしは急いで教室へ向かう。


早く逢いたいなあ~っ