「さすがに県下最大の遊園地だけあるな・・・。」


 一応フリーパス券を買って、中に入った瞬間、青山の口から漏れたのはそんな言葉だった。


 見渡す限り人、人、人。


 どこに乗るにしても、1時間以上待たされることは必須だった。


 さて、どれに乗るか・・・。


 青山が思案をめぐらし始めたとき。


「あ、あんなところにとっても、面白そうなアトラクションがあるよ~!」


 後ろから黒ずくめの・・・・めんどくさい、イエローの声が聞こえた。


「あぁ!本当だ、行ってみよう!」


 レッドがそれに続く。


 っていうか、なんだ、そのあからさまな挑発は・・・。


「そうね!あれは、一度見ておかないと、損ね!」


 ピンクがそんな言葉を口にして・・・。


「うわっ!」


「わぁ!」


 なぜか、青山と恵を押す形で移動し始めた。


「行きます!そんな、無理やり連れて行かなくても、行きます!」


 っていうか、もう、正体ばらして俺たちと一緒に回ればいいじゃん!


 めんどくせぇよ!もう!