「・・・・私だったら、ブラックシャドーになるのかしら?」


 とりあえず、恵が彼らの会話を聞きながら、そんなことを口にする。


 だったら、俺はブルーアイズか?


 って、そういうコトじゃないから・・・。


「・・・みんな来るなら、最初から五人でよかったじゃないですか?」


 ワザワザ、追及する気にもなれず、そんな言葉を口にした。


「・・・な、なにを言うのだ?せっかく、今時どこぞの少女マンガでも見られない、偶然すぎる男女の遊園地デートをこっそり、観察しよう・・・・なんてことを、微塵も考えてもいない、純粋な親子の旅行を前にして、失礼だな、ブルーくん。」


 ブルーって言った!


 ごまかすなら、そこでせめて「君」とか言っておけよ!


 っていうか、もう完全にごまかしきれてないけど!!


「はぁ・・・そういうコトですか・・・でも、何も面白いものは見れないと思いますよ。」


 だから、一緒に回ったほうが楽しいのに・・・。


 ため息をついて、青山は後ろを向いていた身体を再度前に戻す。


「よし、ばれてないな!」


 後ろからレッドの声が聞こえた。


「えぇ・・・私たちの変装は完璧ですから!」


 実くんの声も聞こえる。


「フッフフフ・・・こんな変装も見抜けないなんて、二人ともマダマダね・・・。」


 ピンク姉さんの声。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「もしかして、ツッコミまち?」


 一応隣の恵に聞いてみるが・・・。


「やったら、負けよ。」


 と、言われたので、おとなしく彼ら五人は遊園地に向かうのであった。