大きな、鎧甲冑だった。


 人の五倍の大きさはあろうかと言う、巨大な鎧甲冑だった。


 それが、大きな市街地で暴れていた。


 車が壊され、家が壊され、人が逃げ惑っていた。


 ・・・・・・・信じられなかった。


 これが、自分たちが良く知るあの町並みだと思うと、本当に信じられなかった。


 なんなんだ・・・この風景は・・・・・?


 映画の撮影じゃないのか?


 ・・・・・青山は本気でそう思った。


「ブルー!あそこに逃げ遅れた人が!」


 カミレンスーパーカーの中で実くんが叫ぶ。


 実くんが、指差した先には、転んで怪我した小さな女の子が、泣きじゃくっていた。


 そこにワイルダーの手が伸びる。


 幸い、女の子にはあたらなかったが、もろい廃ビルがその犠牲になった。


 倒れ始める廃墟ビル。


 まずい!あのままだと、あの女の子が下敷きになる!