「今回は仕方ないんです・・・国が相手ですから・・・」


 ・・・・『国からの決定事項だ。旧カミレンジャーは本日を持って解散する!』・・・


 あのときの甲斐の言葉が耳に残って離れない。


 前は運よく戻ることが出来た。


 相手も白井だったし、全然余裕だった。


 だけど、今回はそうは行かない。


 相手は国だ。


 国が俺たちの存在を否定した。


 国が・・・俺たちカミレンジャーの存在を抹消したのだ・・・。


「お前、そんなでかい所でクビになったの?」


 ・・・・・・・まぁ、普通そう思うよな。


「そんな感じです・・・。」


「はぁ・・・・・・まぁいいや。お前、今日はもう上がれよ。そんな顔で接客されちゃあ、来る客に迷惑だ。」


 先輩は大きくため息をつくと、ちょっとだけ粋な計らいをしてくれた。


「スイマセン。」


 その言葉を否定する気にもなれず、青山は予定よりも早く、バイト先を後にした。