「・・・そんなこと・・・。」


 いきなり大声を上げられて、退く隊長。


「地球の危機なのだ!いつまでもそんなオチャラケた五人に任せておくほど、この国は悠長ではない!ここには君が趣味で集めた契機がある!場所も長野県のど真ん中と、敵の動向を見るには、もってこいなのだ!」


 国で来たか・・・。


 てか、軍はなんで動かないんだよ?

「安心したまえ、ここにいる五人は極秘裏に特訓された、まさに地球を救うための選ばれた五人なのだ。少々性格に難はあるがね。」


 甲斐が「新カミレンジャー」の五人を指して自慢げな顔を浮かべる。


 だけど・・・・・・。


 だったら・・・せめて・・・・・・・


「だったら・・・カミレンジャーの名前をかたるのだけはやめろよ・・・。」


 どうしても譲れないことだった。


「・・・茂?」


 思わず、漏れた言葉に恵が口を開く。


「ブルー?」


 レッドも口を開く。


「カミレンジャーの名前だけはやめろよ!お前たちに、カミレンジャーって名乗って欲しくないんだよ!カミレンジャーは俺たちの名前なんだよ!」


 一度開かれた関は止まらない。


 レッドがいて、恵がいて、実くんがいて、ピンクがいて・・・。


 毎日バカやって、ワイルダーたちとアホみたいな戦いを繰り広げて・・・


 ボケて、ツッコんで、笑って、呆れて、途方にくれて・・・。


 カミレンジャーは、そういう名前なんだよ!


 バカだけど・・・下らないけど・・・


 学歴も職も、特技もなくて、まともな職にすらつかなかった俺が、最初で最後に手に入れた誇りなんだよ!