長野新幹線で数時間。


 上川遊園地は最近出来上がった、レジャー施設の少ない長野県民にはありがたい土地にある遊園地だった。


 そこに向かう列車の中、青いジャケットを着た青年と、黒いスカーフをつけた女性が仲良く二人で座っていた。


 カミレンブルーこと青山茂とカミレンブラックこと黒田恵だった。


「あのさ・・・。」


 列車の中で缶ジュースを片手に青山が口を開く。


「なに?」


 それに答える黒田恵。


「何で、俺たちが二人で遊園地に向かわなくちゃいけないんだ?」


「チケットが二人分しかなかったからじゃないの?」


 いや・・・まぁ、それはそうなんだけど・・・。


 いきなり、隊長が遊園地のチケットを二人分用意してきたのは驚いたが、なぜ俺と恵の二人組みなのだ?


「いや、だからなんで俺たちなのかと・・・?」


 遊園地なんだし、こういうところは実君の方が絶対喜びそうなのだが・・・。