しれっと、何事もなかったかのように振る舞う深がイヤだ。
「口が良かった?」
「そういう問題じゃなくて………。」
並んである手前のコップを持って、水を一口飲む。
「怒るなっての。」
「怒ってないし。」
目の前のガラス越しに見える街並みが、きれいだ。
「特等席だね。」
「そうだな。」
ちょっと、恥ずかしげに近づくと肩に顔を乗せた。
「どした?」
「幸せだなって、思って。」
ふっ、と笑う顔。
それだけでも、嬉しかった。
「明日、行くね。」
「どこに?」
「お母さんトコ。」
「……荷物は?」
「一人で、出来る。」
元々、備え付けの家具。
片付けるのは、その時でいいと思った。
「ごめんね、何かいろいろ……。」
「風呂、してくる。」
「うん。」
「時々、携帯見ろよ。よく、光ってんぞ。」
「え、うん」
少し、寂しくなる隣。その背中を追うと、待ってろ、と言われた。
(あっ、携帯。)
光ってる、携帯を見る。
「風花からだ。」
急いで、携帯を開けた。
「もしもし?」
『もしもし、元気?』
「うん。どしたの?」
『いや、学校で全然会えなかったから』
やけに、周りが騒がしい。
「風花、どこいるの?」
『良子ん家。』
「え、お泊まり?」
「口が良かった?」
「そういう問題じゃなくて………。」
並んである手前のコップを持って、水を一口飲む。
「怒るなっての。」
「怒ってないし。」
目の前のガラス越しに見える街並みが、きれいだ。
「特等席だね。」
「そうだな。」
ちょっと、恥ずかしげに近づくと肩に顔を乗せた。
「どした?」
「幸せだなって、思って。」
ふっ、と笑う顔。
それだけでも、嬉しかった。
「明日、行くね。」
「どこに?」
「お母さんトコ。」
「……荷物は?」
「一人で、出来る。」
元々、備え付けの家具。
片付けるのは、その時でいいと思った。
「ごめんね、何かいろいろ……。」
「風呂、してくる。」
「うん。」
「時々、携帯見ろよ。よく、光ってんぞ。」
「え、うん」
少し、寂しくなる隣。その背中を追うと、待ってろ、と言われた。
(あっ、携帯。)
光ってる、携帯を見る。
「風花からだ。」
急いで、携帯を開けた。
「もしもし?」
『もしもし、元気?』
「うん。どしたの?」
『いや、学校で全然会えなかったから』
やけに、周りが騒がしい。
「風花、どこいるの?」
『良子ん家。』
「え、お泊まり?」

